三井物産人材開発における
「人材開発」の考え方
三井物産グループは、創業以来「人材こそが最も貴重な経営資源」であると考え、人材育成に力を注いできました。「人の三井」と称されるこの文化は、長い歴史の中で脈々と受け継がれ、組織の成長を支えてきました。
その中で、私たちが担う人材開発は、グループ全体の経営課題や組織課題の解決を支える重要な役割を果たしています。
急速に変化するVUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)の時代において、グローバルレベルで多様な「個」が挑戦し、未来を創造することが求められています。私たちの提供する人材開発も、時代の変化に応じながら、「未来をつくる」人をつくるため、日々進化を続けています。
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三井物産グループに特化した知見と専門性
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私たちは、三井物産グループに特化した人材開発のプロフェッショナル集団です。総合商社ならではの課題に向き合い、実践的な研修を設計・運営してきたことで、独自の知見と専門性を培ってきました。
年間約170種類・600回におよぶ研修を実施し、のべ約2万人が参加。事業経営や事業投資、貿易実務といった商社ならではの専門分野から、経営戦略やリーダーシップ、DXなど、多岐にわたるプログラムを展開しています。
現場の声を反映しながら研修を磨き上げることで、三井物産グループの経営課題やニーズに応じた最適なソリューションを提供し続けています。
例えば、キャリア自律の重要性が高まる中でのキャリアデザイン研修の企画や、リモートワークの普及に伴う相互理解促進に向けたチームビルディング研修など、環境変化に応じて、その都度現場ニーズと向き合い、最適な研修を企画・実施しています。
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理論と実践を通じた研修の構築
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私たちの研修は、「理論」と「実践」の融合を重視しています。
「理論」と聞くと、堅苦しく感じるかもしれません。しかし、理論の多くは、長年にわたる研究と実証を経て生まれた普遍的な知見です。変化の激しい環境において、再現性と効果の高い研修を設計するためには、理論の活用が欠かせません。
例えば、現場での経験を成長へとつなげるために、経験学習理論を取り入れています。三井物産グループの多様な職務経験をより深い学びへと昇華させるには、「内省」と「言語化」が不可欠です。経験学習理論では、参加者が自身の経験を振り返り、言語化することで、学びを体系的に整理し、次の実践へと活かすことができます。
また、研修の設計にはインストラクショナル・デザイン(ID)理論を活用し、最適な学習プロセスを構築しています。この理論を取り入れることで、研修の目的と実際の業務パフォーマンスをつなげ、実践的な成長を促進しています。
しかし、どれだけ優れた研修であっても、「実践」につながらなければ意味がありません。研修後に実際の行動変容を促すため、数回に分ける、フォローアップをセットで提供するなど、学んだ内容を思い出し、現場で実践できるよう支援しています。
このように、理論に裏打ちされた有効性と、実践につながる工夫を組み合わせることで、多様な「個」の成長を支える研修を提供しています。こうした理論に基づく研修開発を行うために、幅広いパートナーとの協働や、アカデミアとの産学連携を行うと共に、社内外の勉強会を通して私たち自身が学び続け、専門性を磨き続けています。
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人材開発のプロフェッショナル集団を目指して
事業環境がどれほど変化し、不確実性が高まろうとも、「人」という経営資源の重要性は揺るぎません。むしろ、変化が激しい時代だからこそ、組織の成長を支える「人材開発」の役割がますます重要になっています。
さらに、「人」に対する課題も多様化しています。そこで、私たちは人材開発を中心に据えつつも、その周辺領域としてのエンゲージメント向上や組織開発、人事制度構築や評価・労務など、幅広い人事領域の課題解決に対するアドバイザリーサービスも開始しています。
こうした変化の時代において、「人」の成長支援に対して価値を提供し続けるために重要なのが、私たち自身が新しいことに挑戦し、プロフェッショナルとして成長し続けることです。そのために大切にしているのが、「つながる・はぐくむ・ひらく」というキャッチフレーズです。
社員一人ひとりが、自分自身・仲間・組織/会社と「つながる」ことで、社員の経験や社員同士の関係性が「はぐくまれ」、個人や組織の可能性・関係性が「ひらく」。
この「つながる・はぐくむ・ひらく」の循環を繰り返すことで、私たちは変化の時代において価値を提供し続ける、人材開発のプロフェッショナル集団を目指しています。
三井物産グループ全体の持続可能な発展を「人」の側面から支えるため、理論と実践を融合させた独自の研修、そして人事領域の幅広い課題解決への挑戦を通じて、人材開発のプロフェッショナル集団として成長を続けていくこと。
これが、三井物産人材開発における「人材開発」の考え方です。
変化の時代における人材開発の意義
三井物産人材開発では、社員の行動変容や組織の変革を通じて、企業全体の競争力向上を目指しています。「人」が活きる組織をつくるための研修は、理論と実践の橋渡しを行い、変化の時代に即した新しい学びの場を提供します。社員が成長し続けることで、三井物産グループ全体の持続可能な発展にも寄与しています。